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Motivation

ムカデやヤスデなどの多足類は,おびただしい数の脚と細長い胴体を活用し,時に我々を翻弄するような動きを見せます.ムカデが胴体を屈曲させながら素早く走り回るさまは,多足類が持つ優れた運動能力の賜物と言えるでしょう.さらに彼らは,水上で遊泳したり,胴体を伸縮させて棒を登ったりすることもできます.これらの,一見すると敬遠されがちな無数の脚やくねくねとした胴体の動きには,生物学だけでなく工学的にも優れた要素が隠されています.多芸で優れた多足類の振る舞いに内在する制御メカニズムの解明を目指し,本研究室では実際の生物を観察しつつ,研究に励んでいます.

Approach

これまで,本研究室では,脚間協調運動[1,2]や胴体と脚の協調運動[3],遊泳と歩行の切り替え[4] について,再現可能なモデルの構築に成功してきました.最近では,さらに彼らのしぶとさに注目 し,不整地での適応的な身のこなし[5]や,未知環境における意思決定と運動の関連,環境から受ける負荷に対しての適応について研究を行っています.

[1] K.Yasui, et al. “Decentralized control scheme for myriapod robot inspired by adaptive and resilient centipede locomotion”. PLoS ONE, 12(2), e0171421, 2017.(https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0171421)(実験動画)

[2] T.Kano, et al. “Decentralized control mechanism underlying interlimb coordinaTon of millipedes”. Bioinspir. Biomim., 12, 036007, 2017. (hWps://iopscience.iop.org/arTcle/10.1088/1748-3190/aa64a5)(画像のみ)

[3]古川和貴, et al. "胴体の屈曲運動を活用する自律分散型ムカデロボットの開発." ロボ ティクス・メカトロニクス講演会講演概要集 2018. 一般社団法人 日本機械学会, 2018.

[4]Yasui, K., Kano, et al. “Decoding the essential interplay between central and peripheral control in adaptive locomoTon of amphibious centipedes,” Scientific reports, vol. 9, no. 1, pp. 1– 11, 2019. (hWps://www.nature.com/arTcles/s41598-019-53258-3)(画像) (hWps://youtu.be/gLMrh_6r760)(動画)

[5] 高野俊輔,安井浩太郎,加納剛史,小林亮,石黑章夫,“環境に呼応 して足並みが柔軟に変化 する多脚ロボットの脚間協調制御則”,ロ ボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集 2020 一 般社団法 人日本機械学会,2020,pp. 2A1–K02.